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三重県津市 花屋 chelban [シェルバン] チューリップと土星の環っかとラナンキュラス
  • 生活の花

チューリップと土星の環っかとラナンキュラス

大阪の花屋さんに就職したB君が、十二月も半ばになる頃、連絡をくれた。

「年末にどこか、ご飯いけたりしますか?」

大丈夫、行こうよ、て具合に返事をしてから、あっという間に久しぶりに会う日が訪れた。

 

お店に来てくれた彼は、以前より少しさっぱりとした見た目になっていた。

シンプルでキレイめのファッションと言えばよいのだろうか、清潔な様子で簡潔であると言えばよいのか。

月日が経つのを表情の変化から知るのは、心地よくもあり同時に時間の経過を実感させられる。

彼にとっては成長であり、僕にとっては懐かしさである。

そして、この2つは違うベクトルであるのだが、親しみという点で共通している。

少しほっとしたのは、以前と変わりなく腰に道具袋を携えていたことだ。

 

僕の仕事が終わるまで待ってくれていた彼と、近所の焼鳥屋さんに晩御飯を食べに行った。

僕らはノンアルコールビールで乾杯してから、話をし始めた。彼が近況報告も兼ねて、会っていなかった間の話をした。

今の環境の話もしてくれ、成長に付随する疑問を彼は確認するように僕に聴かせてくれた。

彼と話した中で、感性について考えさせてくれる瞬間があった。

 

「Xmasにチューリップだけの装花を考えたんですよ。会社に提案したら『あり得ない。Xmasやで、何でチューリップなん?』て言われてブーイングでした」

彼は本当に憤った様子で、僕にその時の様子を語って聴かせた。

チューリップが好きな彼で、数年前にお店に来てくれた時も店内のチューリップに手を伸ばして優しくふれていた。

この日も僕の仕事が終わるまでの間、店内にあったスーパーパロットを手に取り嬉しそうな顔を見せてくれていた。

彼が装花に使ったチューリップもスーパーパロットかなと考えながら僕は彼の話を聴いていた。

 

ふいに、その時に思い出した。

お店を始めた最初の年、Xmasももうすぐの二十二日のことである。

その時に、白いラナンキュラスと苔朴を合わせた花束を束ねた。

お客さんの来店もほとんどなく、誰が来てくれることもなくマリエさんと二人で一日を過ごすこともあった時期だ。

この時期は、色んな感情が重なった『どうしよう』を二人で話してはお花にふれていた。

どのようにアクション(行動)しようか、の『どうしよう』。

どうしようもないように感じる現状の、『どうしよう』。

どんなお花をしようか、の『どうしよう』。

色んな『どうしよう』がこの時にあった。

結局、この花束は誰かの手に渡ることもなかった。

「誰に出会うこともなかったけど、キレイやったよなマリエさん」

僕はそんなことを言っていた。

 

焼鳥屋さんのカウンターに彼と並んで座り、話を聴いている。

店内ではお客さんがほろ酔い加減に自然と大きくなる声で楽しそうだ。

遅がけの忘年会なのか、それとも年の締めくくりまでに同じ時間を過ごしたかったのか、やっぱり楽しそうだ。

彼の年齢は、お店を始めた時の僕にとても近い。

この時にイメージが降ってきた。

土星の環っかのようなイメージ。

感性は巡る。

勝手に同じようなルートを通り、順に巡っていく。

どうしようもなく巡るその様子は、土星の環っかみたいに壮大な美しさと出会えた気持ちにさせてくれた。

 

きっと感性は星のように、自転し、そして交転しているのだ。

10光年離れた星から、光の便りが届いた。

90兆4600億キロメートルの心の距離がここにあった。

 

土星の環っかが消えた年のことである。

 

 

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