- 2023.02.06
- Flower works
作品 西洋掛花入れ『床の間』
Title
西洋掛花入れ『床の間』 -地母神-
・・・・・
お花を通して沢山の方に出会い、お花の話をしてきました。
店舗を持って日常の花の現場や沢山の花の機会を得ることで、とても勉強になることがありました。
お店で接客をしていて気付いたことなのですが、お客様が言われる「きれい」や「かわいい」という言葉は共感するための大枠を形作っています。
言葉は気持ちを伝える為に抽象化した枠組みだと思うのですが、オーダーに応えようと考えるとお客様自身が感じられている
「きれい」や「かわいい」の言葉で表したい深いところを知る必要がありました。
僕は、お客様一人一人にお花を見せてどこに反応しているかを観察しました。
このあたりのくだりは長くなるので割愛します。
レッスンではいつもお話しているので、興味のある方はまたお尋ねください。
7年間、こんなことを続けてパターン分類を行いました。
僕は人間の視覚を大別して2パターンに分けています。それを、色視覚とライン視覚と僕は呼んでいます。
色に反応する視覚の持ち主とライン(線)に反応する視覚の持ち主の2タイプがいます。
色視覚の持ち主に木々のライン(線)の話をしても「きれい」とは中々なりにくく、
その逆も同じです。
さて、お花作りを大別して西洋的な『西洋花』と日本的な『和花』に分けるとどのような
効果を持つものだと思われますか?
僕はお花はノンバーバルコミュニケーションだと考えています。
これを分かり易く伝える為にレッスンでは何の話をしたいかが重要だとお話しています。
ブーケやアレンジメントなどで良く知られる西洋花は、
集合体を作ることで見ている人に1つのオブジェとして認識させて、
色の話を伝える効果があります。
絵画が発達した西洋では、色彩での表現を多く取り入れられていたからかもしれません。
生け花で良く知られる和花は、
出生の理解を大切にして、その姿形や様子から、ライン(線)の話を伝える効果があります。
中国伝来の水墨画が発達した日本では、線での表現を多く取り入れられていたからかもしれません。
西洋花は『色主体でラインの話』を伝える効果があり、和花は『ライン主体で色の話』を伝える効果があるとレッスンではお話しています。
何故、このような分類をレッスンでお話するかと言いますと、自分の視覚特性と嚙み合っていないお花作りを選択されている方がみえるからです。
このあたりの話も割愛して、また花言葉で書くことにします。
作品制作の話をしますと、僕の特性は色視覚です。
西洋花がベースになっており、そこから日本的な和花を取り入れて発展させる方法を
考えています。
西洋掛花入れは、壁面に取り付けた装飾自体を花器として自然の様子を作ります。オブジェとしても観賞してもらえる花器です。
西洋花で用いられる色の話をオブジェとして先に展開して、そこにポイントとして出生の理解を促します。
この花器に生けるお花は、出来るだけ小さい一輪が良いです。素朴な雰囲気が空間に伝わります。
日本での住宅事情は変わり、床の間などの飾り場を持たない家も増えてきたと感じます。
ドライフラワーのスワッグの購買が増えていった事情が環境にあると僕は考えています。
掛け花は、少ない花数で印象的なアプローチが可能になることから、現代で重要視された方が良いお花の様式かと考えています。
西洋掛花入れは、視覚特性と西洋花・和花のお話をする為に強調したものとして制作しています。
床の間全体を包むように、土や藁などの材料を使って作りました。
Gallery