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三重県津市 花屋 chelban [シェルバン] 赤いボケの話
  • 生活の花

赤いボケの話

お店を始めて三年目か四年目のことだが、『赤いろうそくと人魚』の朗読劇を観る機会があった。

その時は、市内にある洞窟の中で朗読劇が行われた。

それを観ている時に感じた漠然とした不安感は、僕に子供の頃を思い出させてくれた。

僕はホラー映画が好きだったり。オカルト物が好きだったので、その手の話を聞くと子供の頃を思い出す。

不思議なことにも何度か出会えた。

 

僕が今までに体験した不思議な話は、夏あたりに書いてみたいと思う。

 

幼少期の漠然とした不安感のひとつは、『天井』だった。

今ではアレルギー体質からであったと思うのだが、小学校低学年の頃はよく寝込みことが多かった。

僕は猫アレルギーで、猫にふれると呼吸困難になる。当時は、野良猫を家で沢山飼っていた。たぶん、それが原因だったと思うのだが二十七歳になるまでアレルギー体質であるということは知らなく過ごしていたので、子供の頃はただ軟弱な子だと思われていた。

体調が悪く寝込んでいると、天井が嫌でも目に入ってきた。天井には格子が組まれていて、その間の板には様々な木目があった。その木目が人の顔に見えるなんてのは不安感で言えば序ノ口で、僕の不安は天井そのものだった。

天井しか見えないのだ。どれだけ寝ても、また起きても、天井がそこにある。それがどれだけでも不気味に感じさせた。

その人、個人にしか分からない不安はあると思うが、僕の場合は天井がそれだった。

 

病院に入院していると、もしかしたら僕と同じことを感じる人もいるのかもしれない。天井にも、もう少し配慮があると嬉しい人がいることだろう。

 

『箪笥』や『ぼっけえ きょうてい』を高校時代に読んでいた時にも、近い質感の漠然とした不安を感じていた気がする。

『女優霊』や『リング』とは違う。恐怖心が先に来るのか最後に来るのか、不安感が先に来るのか最後に来るのか、怖いのではなく不安から「こわい」という言葉が出ている場合がある。

 

去年の春に、ツマと奈良へ旅行に行った。

僕は地元を見るのがずっと嫌だったので、昔過ごした場所を見ないでいた。

久しぶりに地元を訪れた理由は、去年の一月に父親が亡くなって、これで両親が二人とも旅立ったことがきっかけになっていたのだと思う。

 

高校三年の時に広い公園が建設された。

その時は植栽も少なく、簡素で開けた場所といった印象だったが二十数年振りに訪れると、その様子はがらっと変わっていた。

植栽は豊かで、様々な植物が花を咲かせている。

手入れがゆき届いている様子で、長い階段を上ると頂上に鐘のある高台に行き着く道程は、桜が迎えてくれた。目に優しい公園になっていた。

 

公園の植物の中に、赤いボケを見つけた時に嬉しくなった。

丸くふくらみのある、ぷっくりとした花弁の肉質感が可愛らしい。

僕はボケの花が好きで、去年引っ越すまで住んでいた借家の庭には、ベージュピンクのボケがあったので癒された。引っ越しの時に少し淋しい気持ちになった。

赤いボケに魅力をそれほど感じていなかったはずの自分が、去年からは何故か惹かれている。

 

店の傍の国道沿いの街路樹にも、赤いボケが植えられている場所があり、たまたま通りがかった時には嬉しくなる。

 

赤いボケは、漠然とした不安を孕んでいるように僕には感じさせる。

これはネガティブな印象ではなく、生活・日常の中での不思議や怪奇に出会うポジティブな魅力だ。

 

一つの花に、全ての情緒があって然るべきなのだと思う。

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