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三重県津市 花屋 chelban [シェルバン] 雪の日、チューリップとハンノキ
  • 生活の花

雪の日、チューリップとハンノキ

雪が首すじにふれて、こそばゆい。

 

車を走らせながら林を見ると、杉の木が雪の衣を被っている。

 

伊勢にあるカフェへと車を走らせていく途中の事だ。

 

二日間のチューリップフェア企画で、出店する為に伊勢へと向かった。

 

現地に着くと、お腹が空いていたので、早速、ご飯を頂くことにした。

 

まだ開店していないカフェで、グリーンカレーを食べる。

 

テーブルに運ばれたカレーは、ゆっくりと煮込んであるのかお肉が非常にやわらかい。

 

フォークを寝かして横に入れてみると、ほくっとほぐれる。辛さも丁度良い。僕は、辛いのが苦手なのだ。

 

十年程前に、秋葉原だったと思うのだが、知人にラーメン屋さんへと連れて行ってもらったことが思い出された。

 

龍生派でいけばなをされているIさんは、辛い物が大好物な方だった。

 

おすすめの激辛ラーメンは、唇が触れただけで激痛が走るような辛さだった。

 

その日の夜にホテルのトイレで、おしりまで激痛に見舞われることになった。

 

思い出すと笑えてきて、笑顔になれる良い思い出だ。

 

カフェの窓際の席に座った。広い窓にぴたっと横長のローテーブルだ。

 

そこに座ると、自然と窓の外の景色が運ばれてくる。丁度、芝生のこんもりした丘が目の前に壁のように広がっている。

 

植物が冬の中で枯れていって作られたベージュ色の層が下方に広がり、その少し上方を春を待ち望んでいるようなライムグリーンの植物が育っていっている。黄緑がかっている色の上を雪の粒が風に吹かれて、はらはらと横に流れていく様を見ていた。

空には、白みがかって所々に陰を宿すグレーな雲が地上を覆い包もうとしているかのようだ。

 

雪が降ってくる様子と景色が重なって、まるで空が、雲が、少しずつ粒になって、はらはらと落ちていくように感じられた。

その様子は、僕に砂時計の情景を思わせた。

 

その雲の一部から光が射し始めた。

やわらかく厚く包んでいる雲を、光のフォークで挿してゆっくりと崩す様に、雲の隙間から光がこぼれていく。

その光の穴が、徐々に徐々に押し広げられていき、目をやるのが辛くなるようなまばゆい白が

空に、雲に、はらはらと流れる雪の粒たちに、この景色に入り込んでいく。

重い陰から世界に射したまばゆさは、やはり目をやるのが辛くなるぐらいに、僕の心に迫ってきた。

 

外を散歩した。

このカフェから出て少し歩くと、細く小さな小川が流れている森が見えてくる。

笹薮と森の濃い緑に、ゆっくりと雪が降りてくる様子。木々が風を遮り、静かに雪が降りてくる。

小川にもゆっくりと落ちていく。落ちた雪は水に変わって、流れ続けていく。

時が止まったみたいな錯覚を覚える。

雪は落ちていき、小川は流れていき、その静かな音も聞こえていて、時は確かに動いていると分かってはいるのだが、

止まっていると感じられるぐらいの豊かな沈黙があった。

 

言葉に出来ない、と言葉にしてしまいそうになることはいつもある。

この言葉に出来ない感覚というものは、全てを包んでいる最も大きなもので、目的地というかゴールというか、最終地点であると僕は思う。

言葉に出来ないという言葉にしてはいけないのだが、この感覚は、その時の自分を知らせようとしてくれている。

豊かな沈黙に出会えた時に、その『ゆとり』ある感覚の帯の上に立ち、どのように思うのか。

 

カフェに戻る道を歩いていると、入口に植えてあるハンノキが尾状の花を垂れ下げていた。

雪の日のことだ。

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